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両腕が、だらりと垂れた。
肩に掛けていたショルダーバッグが、地面に落ちる。自分へのご褒美に、傷がついて、とても悲しい。
「……スケジュール、守れるかな」と、凛は呟いていて、意識を失っていた。
……それから、一時間ほど経過してからの事だ。
ホットストリートやよいには、深夜にも関わらず、人だかりができていた。ポツンと生まれたその集合は、寒さに耐えようとして躰を寄せ合っている、背の低い動物の群れにも見える。
到着した救急車の赤いランプが、何かの目印のように、回転し続けていた。
倒れていた芦田凛を発見したのは、四十代の中年男性だった。別府駅前にある居酒屋から、自宅に戻ろうとして、血を流して倒れている凛を見つけたという。
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