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「さて、日焼け対策、と」
黒い鞄を取り出して、中から日焼け止めクリームを手に取り、満遍なく肌に塗った。
鞄を肩から提げる。他に誰もいない事を確認し、蛍光灯の電源を切って、薄暗くなった部室を出る。
「ありがとうございました」
一礼を忘れない。
まだまだ強い日差しが、浮羽の白い肌に襲い掛かった。
「甘いわね、準備は万端よ」と、太陽に視線を向けて微笑んでみる。
校門の方に歩きながら、鞄から携帯電話を取り出して、大きな液晶画面を確認した。新着のメールを知らせる表示がある。
アプリケーションを開くと、メールの差出人に『ワカちゃん』と表示されていた。すぐにメールを開き、文面を確認する。
『見た?』と、一言だけ書かれていた。
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