探偵ごっこ(2)

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 校門に向かって、再び歩き始めた。校庭に植えられた欅が、アスファルトの地面に影を作りだしている。漏れてくる陽光が、風に揺れていた。 「……光が、綺麗」  同時に、浮羽の長い黒髪が揺れる。  浮羽は、双眸を陽光が掠める度に、目を細めたりはしなかった。大きく見開き、眉をあげる。 「もしかしたら、『サキちゃん』ではないかもしれない、って思っているの?」  少しの沈黙の後、『その可能性もあるよ』と、ワカちゃんの気落ちするような声が電話口から漏れた。『今回の犯人は、模倣犯かもね』 「そう落ち込まないで。まだ、答えは出ていないんだから」と、浮羽は、慰めるように言ってみる。  校庭を抜けた。その途端に、車の騒音が大きくなる。
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