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ウサギのような風貌で、前髪と長い耳が、温泉マークのような、湯煙型になっている。
「こっちに、向かって来ているね」
何か、イベントがあったのかもしれない。周りに、小さな子供がついて来ている。
子供の元気良さとは対照的に、「もうヘトヘトです、休ませてください」と、言いたげな歩調だった。
浮羽が、早足になって、『べっちょん』に近づいていく。
行く手を阻むように目の前に立ち、白い頭を撫で回していた。大きな頭が、左右に揺れている。
「頭が、取れてしまうよ」と、僕は、鼓動が早くなった。
子供たちの前で頭が取れてしまったら、衝撃的だろう。『べっちょん』の生首など、見たくはない。
暫く撫で回して、満足したのか、浮羽が僕に近づいて来た。「ふふ。じゃあ、行こう」
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