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「入り口は、ここだけじゃないよ。この辺りは道が入り組んでいるし、他を廻ってみるべきだよ!」
「やれやれ」僕は、仕方なく、再び歩き出した。
ホットストリートやよいと平行して通っている、ソルパセオ銀座に向かう。そこから伸びる横道が、ホットストリートやよいと繋がっているからだ。その通りの地面は、御影石ではなく、正方形のタイルが敷き詰められている。
浮羽が、先頭を歩いている。
僕は、しぶしぶ後ろを歩く。ついでに、「しぶしぶ」と、声に出してみた。
ソルパセオ銀座を歩きながら、母親のような口調で、浮羽が言った。
「ほら、ダラダラしない! 子供じゃないんだから。これじゃあ、無理やり、ワカちゃんを連れ回しているみたい……。それで、どうして『嫌な予感がする』の?」
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