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そして、加害者は、計六人も居た。十五歳の男子中学生、十六歳の無職少年、十五歳のアルバイト少年、十八歳の男子高校生、二十歳の無職少女、十七歳の派遣社員だ。
集団暴行の結果、死に至ったとのことだった。
そして、二つ目。
『失踪から二十年』
そう書かれた見出しの横に、老婆の写真が載っている。写真の脇には、小さな文字でこう書かれていた。
『サワコさん(七十歳)は、息子の帰りを待ちつづけている』
その文面から、写真の人物が息子の帰りを待つ母親ということがわかる。
「二十年は、長いな……」
その母親が、どんな二十年間を過ごしてきたのかは分からない。ただ、写真を通して訴えかけてくる強い眼差しから、息子の生存を信じて疑わない、強い意志を感じることができた。
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