前世の約束

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この人、知ってる。 同じ学校の人だっけ? 違うな。 いつも行くコンビニの店員さん? それも違う……どこだっけ。すごく気に なる。 どこかで会っているのだ。 喉のすぐそこまで来ているのに思い出せない、そんなモヤモヤした気持ち悪さでいると、その人がじっとわたしを見ていた。 ヤバイ、ジロジロ見てたの気を悪くしたかな。ってか、キモいって思われたかも知れない。 何ジロジロ見てるんだよ、なんて絡まれたら困る! 早く皆、来て! どうにもこうにもいたたまれない空気が流れる。 場所を移動しようにも待ち合わせはここだし、と小さなため息をつく。 「ごめんごめん! リナ!」 「待たせた?」 「あ。うん……少し」 駆けてきた二人を見てホッと息をつく、その後をイマドキ男子が歩いて来た。 「あ。この2人ね、一星大学の鈴木君と佐藤君」 「こんにちは!」 爽やかを絵にかいたような鈴木君だか佐藤君だかは言った。 2人と3人じゃ1人余るじゃない! 私はまるでお邪魔虫だ。と、思いながら頭をぺこりと下げる。 「あ! いたいた。相葉!」 「?」 「現地集合のヤツ。相葉、このデカいヤツ」 さっきの大きな手の主は、とことことやって来てぺこぺこっと頭をさげた。 「よっちゃんと、さっちゃん。それから……」 「あ。リナです」 相葉という大きな彼はペコペコと頭下げてから、うーんと、首をひねった。 「……どっかで会ったこと……ある?」 ドクン。と、心臓から血液が吐き出される。 ビーカーの中で化学反応を起こした液体のようにコポコポと沸き上がる。 「相葉! どうした?」 天変地異でも起こったと言うように驚いた顔をして彼を見る。
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