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あ~あ、ケーキもったいない。
スカートと靴、どうしよう。
呆然と立ちつくす。
「はぁ~、もったいないなぁ~」
とりあえず、クリームを拭かなきゃ。
「楓ちゃん?」
車道から声がかかった。
振り向くと、金森さんだった。
「あっ金森さん、こんばんわ…」
「そんなところで、どうした?
あれ?服、汚れてない?」
車から降りて、近づく金森さん。
こんな姿見られたくなかったな。
「ケーキの箱を落としてしまって…」
「ハデにやったね。靴にもついてる。
とりあえず、落ちたもの拾って、ウチすぐそこだから、車に乗って。」
しゃがみこみ、切れたビニール袋に潰れたケーキをまとめてくれる。
まだ呆然とする私の背中を押し、車へ。
「スカートは、シートにつかないように。
靴は脱いで、、かして。」
言われるがまま、助手席に座る。スカートは、クリームがつかないように丸めて。靴を金森さんに手渡す。
クリームのついた靴は、後部座席に紙を敷いておく。
「うち、直ぐだから、ちょっと我慢。」
車で5分ほど走り、マンションの駐車場に入っていった。
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