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今から数年前、私は遠山夫妻の息子である「ともくん」に監禁された。
遠山夫妻は学生結婚をし、早くに子供が出来た。
それが「ともくん」だ。
父は大学を卒業し、他県の会社に就職したため、遠山のおじさんとは連絡を取り合うことはあっても、お互いに忙しく、会うことは無かった。
それが、結婚を機に、父が地元に戻り、新居を建てた場所というのが、遠山家の隣だというまさかの偶然に、二人は喜び、家族ぐるみでの付き合いが始まったのだそうだ。
ともくんは、元々人見知りをしない性格なのか、すぐにうちの両親とも打ち解け、かなり懐いていたらしく、第二のパパ、ママと言っていたほど。
うちの母が妊娠したときには、「妹が生まれる」と誰よりもはしゃぎ、生まれたら生まれたで、学校から帰ってくると、自分の家よりも先に我が家にやってきて、私に向かって「ただいま」と言っていたそうで、その溺愛ぶりは父親以上。
遠山夫妻も呆れるほどだったそうだ。
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