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母に連れられて近所の公園で遊んでいた時だった。
丁度、母は保育園のママ友との話に夢中になっていたし、私も友達とかくれんぼをしていた。
人気のない茂みの中に身を潜めていると、背後からともくんに肩を叩かれた。
びっくりして声を上げそうになったけれど、咄嗟に手で口をふさがれ、「静かにしてね。今から鬼から逃げようね」と耳元で囁かれ、私はそれに頷いた。
ともくんに手をひかれ、母のいる方とは逆側の出口から公園を出る。
「かくれんぼは公園の中でしか隠れちゃいけないんだよ?」
そう言って彼の足を止めようとするが、「でも、鬼役の男の子。先に帰っちゃってたよ?」と言われ、「えー。じゃぁ鬼ごっこにならないじゃん」と頬を膨らませた。
不貞腐れる私のご機嫌をとるように彼は、「じゃぁ、ボクがホットケーキ焼いてあげるよ」と微笑んだ。
大好物を作ってくれると言われて喜ばないはずはない。
ともくんに誘われるがまま、私は遠山家に入った。
そして、その日から私は監禁されることとなった。
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