「またね」

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 その台詞。  その顔。  身長や雰囲気はだいぶ変わったけれど、面影はちゃんと残っている。  間違いなく彼は、「ともくん」であり、そして……今、私に付き纏っているストーカー。 「色々、苦労したよぉ。両親の監視が厳しくてさ。こんな年になっても、九州から出して貰えないんだから。もう、大人なんだから、どこに行こうと何しようと勝手だと思わないかい? お陰でアカリに逢えなくて寂しかったよ。でも、ボクはアカリ一筋だから。浮気なんかしたこともないから安心して。アカリの味方はボクだけだし、アカリを愛してあげられるのもボクだけなんだからさ」  聞いてもいないのに、ベラベラと捲し立てるように独り語りをする彼の目は血走っていた。 「とも……く……ん。な、なんで……」 「でも、今って便利だよね。ネットがあるから、アカリのことはなぁんでも知っているんだよ。ほら。お金さえ出せば、なんでもやってくれる人がこの世の中には沢山いるしね。それに、アカリは自分のことを何でも曝け出しちゃうからさぁ。一人暮らししたことも、どこの大学で、どこら辺に住んでいるのかも、すぅぐに分かっちゃったよ」
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