拝啓 愛しい貴方へ

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だけど、こんな形で別れが来るなんて… 今でも信じられません。 でも、もう本当にいないんだね… 目を閉じればまだ貴方の声が 聞こえてきます。 隣にいる様な気がします。 低くてちょっと掠れた声、 いつも石鹸の香りがしてた。 そういえば左利きだったね… 私が切りすぎた前髪も ちょっと伸びてた。 寒がりの癖に私に上着を着せて 次の日には風邪で寝込んでたね。 移るからって私を遠ざけてたけど、 結局貴方の風邪を貰ってた。 意味無いねって2人で笑い合ったね… 声も匂いも、まだ全部覚えてる。 初めて貴方と手を繋いだ時も 初めて貴方に抱き締められた時も 初めて貴方とキスをした時も 初めて貴方と1つになった時も 全部全部、覚えてるよ…
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