そして――「またね」

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ふと……気がつくと、そこにいたのは、カナだった。 僕の恋人のカナが、そこに立っていた。 そして、僕の顔を覗きこんでいた。 僕は、カナが起こしにきたのか……と、手を伸ばそうとした。 すると――   「またね」   ニッコリ笑った彼女は、背を向けた。 向けた直後、すごいスピードで去っていった。   「ワーオ。そんなに足――速かったっけ……?」   僕は悲しくなりながら、ふと足元を見た。 なんと、なぜか雲の上に立っているのだった。 真っ白で、ふわふわした雲だ。 僕は少し気持ち良くなった。が…… 次の瞬間、体がフラついて、雲の外に倒れてしまった。  
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