炊飯器

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「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!!!!!!」   僕は悲鳴を上げると、情けないことにその場に腰を抜かしてしまった。 炊飯器を開けた途端にざわざわざわざー。 黒い波が一気に走り去っていく。 ぞわぞわと立つ鳥肌。 取り残された炊飯器の中には無数の……ゴキブリの死骸。 「か、帰る!!!」 「待てって!まだ全然、片づけすんでないだろ」 「帰るったら、帰る!!」   僕は引き留める友人を振り切って、逃げるようにその場を後にした。 ……それ以来。 軽い炊飯器恐怖症で、炊飯器で炊いたごはんを食べられない。 【終】
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