呪いの増毛

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 一週間後に病院に行くと少女は息を引き取っていた。  2人はこっそりと病室に入り、枕元に置かれていた人形を回収した。 「やりましたね。人の死を利用して金儲けするのは気が引けますけど」秘書は回収した人形を大事に抱えながら言った。 「人の死を利用して金を稼ぐのがダメなら、お寺や葬儀屋にも文句を言うのかい?」エス社長は秘書を睨みつけた。  その日は秘書が人形を持って帰り、一緒に眠ることになった。  朝になって人形の髪の毛が伸びていたら成功だった。 「どうだった?」  あくる日、エス社長は秘書に朝の挨拶をする前に人形の状態を聞いていた。 「髪は少しだけ伸びてました」秘書は青白い顔で答えた。 「そうか! それは良かった!」エス社長は手を叩いて喜んでいた。 「しかも深夜2時過ぎになると、人形は部屋の中を歩き回っていましたよ。女の子のすすり泣く声も聞こえたし、もうこれは完全に呪われた人形ですよ」 「強力だね?」  その後、人形の髪の毛は増毛剤に使用され、会社は安定供給を実現することができた。  しかし変な噂が広まるようになった。  エス社の増毛剤の使用者が夢遊病になるという噂だった。  髪の薄い男たちが夜な夜な町を徘徊しているという。
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