2人が本棚に入れています
本棚に追加
一週間後に病院に行くと少女は息を引き取っていた。
2人はこっそりと病室に入り、枕元に置かれていた人形を回収した。
「やりましたね。人の死を利用して金儲けするのは気が引けますけど」秘書は回収した人形を大事に抱えながら言った。
「人の死を利用して金を稼ぐのがダメなら、お寺や葬儀屋にも文句を言うのかい?」エス社長は秘書を睨みつけた。
その日は秘書が人形を持って帰り、一緒に眠ることになった。
朝になって人形の髪の毛が伸びていたら成功だった。
「どうだった?」
あくる日、エス社長は秘書に朝の挨拶をする前に人形の状態を聞いていた。
「髪は少しだけ伸びてました」秘書は青白い顔で答えた。
「そうか! それは良かった!」エス社長は手を叩いて喜んでいた。
「しかも深夜2時過ぎになると、人形は部屋の中を歩き回っていましたよ。女の子のすすり泣く声も聞こえたし、もうこれは完全に呪われた人形ですよ」
「強力だね?」
その後、人形の髪の毛は増毛剤に使用され、会社は安定供給を実現することができた。
しかし変な噂が広まるようになった。
エス社の増毛剤の使用者が夢遊病になるという噂だった。
髪の薄い男たちが夜な夜な町を徘徊しているという。
最初のコメントを投稿しよう!