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保健室の先生が出ていくと白雪くんとふたりだけになった。
「…白雪くんはどうして、なの?」
「何が?」
「えっと、わたしの護衛をしてるのって」
「ああ。僕は七代目に拾われたから恩がある。ただそれだけだよ」
「あ、そう…」
言いたくなさそうな答えに後が続かなかった。
しばらくすると、
「何をどう思ったかは知らないけど、七代目は好きでもない女相手にする人ではないよ」
「…?」
なんだか白雪くんの答えたことがよく理解できなかった。
本を捲る音がする。
静かな保健室には柔らかな日差し。
体が暖まってくると眠気が差してきて、目を閉じると眠りに誘われてく。
『…寿美』
深い眠りの底で名前を呼ばれて額に触れられた夢を見たような気がした―――
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