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白雪くんが立ち上がってわたしを連れてその場を去る。
わたしの声に人が集まり出してたけど、その中に悪意ある視線があると知って背筋がゾクッとした。
「七代目の妻にと娘を望んでる分家の誰かの仕業でしょう。工藤さんが消えれば妻の座は手に入りやすくなる……だから護衛は絶対に必要で。くっ、」
「白雪くん!」
「早く、校門裏へ」
カバンは後で届けてもらうと、白雪くんはわたしを連れて校舎を出た。
校舎裏では目立たないよう二台の車が停まってた。
中から出てきたサングラスの長身の人はわたしを後部座席に座らせるとそのまますぐに車を出すように運転手に命じて動き出した。
「白雪くんが!」
「彼は後から来ます。状況はわかりましたので急ぎ屋敷に戻ります」
後ろを振り向くとケガした白雪くんも二台めの車に乗ってついてきた。
「わたし、狙われるの?」
「………」
「もしかして、だから英輝センセはわざと冷たく突き放したの?危険だから?」
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