『若恋』恋物語

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だけど、心は決まった。 英輝センセはわたしにとっては特別な人だった。 ヤクザだろうがそんなの関係ない。 今度はわたしがセンセの力になる! 「おまえは、俺の知ってる女に似てるな…」 「英輝センセ?」 英輝センセはふっと優しい目をした。 まるで誰かに想いを馳せているかのように。 「俺はおまえをこれから全力で守る。だから安心しろ」 どこか含みを持った言葉は手当てされた心にしみて落ちた。 英輝センセは知らない。 あの夜の『あの人』がセンセだってこと… 突然の結婚だったけど、わたしを結婚相手に選んでくれたおじいちゃんに感謝した。 あの夜の『あの人』。 わたしには忘れられないひとだった―――
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