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「あんたが工藤寿美だな?俺と一緒にきてもらおうか」
学校からの帰り道、サングラスを掛けたふたりの男に声を掛けられ、有無を言わせずに車で連れてこられたのはわたしの家だった。
父はサラリーマン、母はパート勤め、妹は中学生の一般家庭。
父は申し訳なさそうにわたしに謝った。
何がなんだかわからない。
「寿美、実はお父さんな、叔父の保証人になってて…資金を必ず作ってくるからと消えちゃったんだ」
「えっ!?」
「それで借金の保証人のお父さんが代わりに返さなくちゃならなくなって」
うそっ!
ドラマじゃあるまいし!
「で……困ってたところに、お父さんの友達が助け船を出してくれて、借金を肩代わりしてくれることになったんだ」
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