275人が本棚に入れています
本棚に追加
ええーっ!!
和服を着た男女が居並ぶ日本家屋の前だった。
「六代目、おかえりなさいまし。大広間にはみな顔を揃えております」
「そうか、わかった」
近寄ってきた壮年の男性が、おじいちゃんを見て、後ろに立ったわたしに頭を下げた。
「工藤寿美さま、すべて用意は整っております。お召し替えを」
え?と、思うまもなく、おじいちゃんの目配せで、年配の女性たちに取り囲まれてお屋敷の中に連れ込まれた。
「お、おじいちゃん!?」
「孫との対面じゃ、美しく着飾っておいで」
えっ、そんな!
ちょっと待って!
何がなんだかわからないままお屋敷に引き摺られてく。
いったい、どういうこと!?
「お、おじいちゃん!!」
孫との対面があるとおじいちゃんは言った。
運命の扉が音を立てて開いたような気がした―――
最初のコメントを投稿しよう!