『若恋』恋物語

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「お待たせいたしました。工藤寿美さまが参りました」

すっ、と、目の前で襖が開いて、おおっ！と、驚きの声が上がった。

床に指をついたまま顔を上げると勢揃いした黒紋付き姿の人たちがどよめいた。
その中を立ち上がり留め袖を着た介添人に手を引かれて広間両脇に居並ぶ人たちの中を歩いていく。

わたしが着せられたのは、人生に一度だけしか着ない純白の花嫁衣装。

おじいちゃんは満面の笑みでわたしを迎えてくれた。
そして隣に座る孫もわたしを見た。

わたしの結婚相手と真正面から目が合った。

えっ！！？

お互いに硬直したまま見つめ合う。

「―――工藤？」

「もしかして、センセ…？」

信じられないことに、目の前には担任のセンセが目を剥いて立っていた―――