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「ジジイが結婚しろと命令した時には誰でもいいと思ったが、まさか教え子とはな」
仮祝言とはいえ、英輝センセと結婚した。
「さてと」
ビクッ
立ち上がったセンセは、着物を脱ぎ捨てて白シャツに着替え、上着を羽織りどこかに行く格好をした。
「どこに行くの?」
「あ?どこだっていいだろ。おまえには関係ない。しかし、おまえも趣味が悪いな。あんなジジイがいいのか。俺はジジイのお手つきなんてゴメンだからな。抱くなら手垢のついてない女を選ぶ―――」
バシッ
ハッと気づいた時にはセンセの顔を思い切り張ってた。
センセが頬に手形をつけてわたしを睨んですっと表情を変えた。
冷たく冴える眼差しに、嘲笑う口元を拭う。
「……ジジイの囲い者のくせに」
俺に手をあげたな。
センセの腕に手首をつかまれ、もう片方で無理やり顎をつかまれた。
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