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「また来たいね」って言った君の顔に疑いの色が見えたから、素直にうなずくことができなかった。
僕の気持ちに気付いているのに、
それでも「また」という、明確な約束ではない、
けれどもそれでいてその日が来るのを1ミリも疑わないようにも取れる、そんな言葉の選択に、僕はまた答えられないでいた。
ミリ単位で動く自分の心に、僕より先に気付いた君は、どんな気持ちで僕のことを見つめていたのだろう。
「またね」僕は変わらずいつもの言葉で君を見送る。
君もまたいつも通りの笑顔で手を振る。
いつまでも続くみたいに、それが当たり前みたいに。
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