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梶野が行方不明になって一週間が
過ぎた頃、やっとの事で警察に
捜索を願い出た。
失踪と同時に連絡は全く無く、不安に
駆られた為だ。
博人の部屋は、居なくなった今でも
そのままに。
あるじが居ない部屋を見渡しながら、
俯く親父。
ひとり息子の為か、余計に寂しさが
募るのは仕方ない。
「スマナイ、俺の為に息子が
身代わりに・・・」
むせび泣く父親に、片隅に光るものが。
それは、机の上にあった携帯だ。
そっとiPhone4sを右手に持ち、
電源ON。
「息子は、この小さなiPhoneで
大金をとったんだ」
すると、アップルのロゴマークが
まばゆい程に輝いた。
スマホを操作したところ、
CLOUDSTRAGEサービスに動画を
UPLOADしている。
慌ててCLOUDからデータファイルを
DOWNLOADしてみたところ、やはり
アプリを使って競艇のLIVE配信を
スクショしていたのだ。
データファイルを開いてみると、
奇妙な事実に気づく。
スタート直前、ピットに係留されている
ボートには6人の選手達がスタンバイ。
その奥にある掲示ランプが紫色に点灯、
その瞬間作造が凍りついた。
それは、点滅した途端に黒い影が
現れたのだ。
「やはり、シャドーマン!
こんな所にいたのか・・・」
息子が大勝ち出来たのはこれだったのか、
ピットランプの変色は博人だけに
向けられたものだったのだ。
何故、作造は子供の行方不明に一週間も
警察に届けなかったのか。
それは、作造と異星人が取り引きを
していた為だ。
ある日、撮影現場に不審な2人の男が、
やって来た。
「今まで変な写真を撮らなかったか、
我々と取り引きをしないか」
突然の問い掛けに、戸惑う作造。
「どういうことですか?」
「貴方は借金をお持ちだ、それを私達が
補完しましょう。その代わり子供を、
我々に預けて頂きたい」
見知らぬ男達の無礼な態度に、
憤りを覚えたが。
「どうして、借金のことを?」
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