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「俺の方はどうだっていい。で。おまえは若宮と見合いなんだって?」
「…まあ、形だけね」
「正式な見合いだって聞いたぞ。断れるのか?」
断れるわけない。
水神の次期当主との縁談話にみんな大喜びだもの。
ため息を吐いた。
「ふん…若宮ね」
面白くなさそうな表情をしてわたしを覗き込んだ。
「この俺が、その見合いをぶち壊してやろうか?」
「え?」
絢也くんを見返した。
「俺の頼みをきいてくれたらの話だけどな」
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