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嫁になど出すもんか。
たとえ、好きな男ができても絶対に認めねえし。
「こりゃ、ウザイ父親になりそうだな」
「なに?ウザイ父親?」
「ああ。最強にウザイ父親にな」
影王が皮肉っぽく笑う。
りおを手に入れられなかった過去を未だに悔しがる。
りおそっくりな娘を龍琉の嫁に欲しいと本気なんだから始末に負えない。
「残念だな。うちのりんは誰にも渡さねえよ」
「ふーん、そうか。なら仕方ねえよな。諦めるか」
ソファーの肘掛けに肘を掛けて頬杖ついた影王と笑いながらテラスの外を見た。
中庭の池の辺りに遊びに出た玲央と龍琉たちの横で、錦鯉を覗き手を伸ばしたりんが頭からぐらりと傾ぐ。
「りんっ!?」
声を上げた。
薄氷に滑り、頭から池に落ちていく!
冷たい池へと落ちてく!
駆け出すが間に合わない!!
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