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一日目。
チーム・メガネは、ゲームをする部屋として用意された会議室へ向かう。
佐藤が先陣を切って会議室に入ると、見た事の無い機械が視界に飛び込んできた。
「これは!? ……山田、説明しろ!」
「家庭用のゲーム機ですね。モニターに繋がっているのは本体。その横に複数あるのは、カセットと呼ばれる物かと思われます」
山田のメガネがキラリと光る。
その姿を見て、佐藤から勝利の笑みが零れた。
「ふふっ。そこまで調べているとは、さすがだな。これでプレゼンも安泰だ。さあ、山田よ。分析を得意とする力を見せるのだ!」
「お任せ下さい」
山田は近くにあるカセットを手に取り、モニターと本体の前にある椅子へ腰を下ろす。
そしてカセットを両手で持ち、モニターを見つめた。
「さあ、行くぞ!」
……
……
……当たり前だが、何も始まらない。
「どういう事だ? そうか! カセットを持つ角度が悪く、センサーが反応しないのだな!」
両手に持つカセットを動かし、様々な角度でポーズをとりながら本体を睨み付けた。
勿論、何も起こらない。
「ばっ……馬鹿な!? この私が無力だと!?」
山田の体力が失われていく。
「もはや……ここまでか……ん?」
薄れゆく意識の中、重大なミスに気が付いた。
「ふふっ、ははっ……はーっはっはっは! この私とした事が、モニターの電源を入れ忘れていたよ」
勝利を確信し、モニターの電源を入れる。
もはや迷いなど無い。
……だが、やはり何も起こらない。
「ぐはっ!!!」
「山田―――!」
崩れゆく山田を鈴木が抱きかかえた。
「……鈴木……後は……頼んだぞ……」
「ああ、任せておけ」
最後の力を振り絞ってカセットを渡す山田。
鈴木は大いなる意志を受け継ぎ、静かに闘志を燃やした。
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