境内

13/20
前へ
/101ページ
次へ
「そっか…似たような名前なのかな…?」 頼りにならない記憶を辿っても仕方ないものの辿るのが人間の性なもので。 「いや、違うみたい。繋がってる神社もランダムみたいなんだよね、でもこの神社と縁がある神社がランダムに繋がってるみたい。」 なんでこの子こんなに知ってるんだろう…とふと疑問に思ったが何かしらの文献があるのだろう。 「シロは詳しいね。何年ここにいるの?」 なんとなく気になった。 「僕?一番新参者だしなぁ…多分6年くらいかな?」 記憶を手繰り寄せている様子だ。 「いつの間にか全部忘れてここで立っていたんだ」 そう言って笑いかけてきた。 けれどそれは寂しそうな笑顔だった。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加