ヒガンバナ(赤)

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秋の彼岸の頃あちこちに燃えるように咲く赤いヒガンバナ その花は昔から縁起が悪いと忌み嫌われる花だった。 根にも茎にも毒をもち 綺麗な花には毒がある その言葉のいい例だと私は思ってる。 彼岸の頃思いだすのは目の前で咲くように散った赤い点。 その色は鮮やかでスローモーションのように過ぎる時間。 見た目は僅かに光を残していて 現実に戻った頃、それは光を失っていた。 聴こえてくるのは慌てふためく声と サイレンの音 私はそのまま意識を手放した。
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