8人が本棚に入れています
本棚に追加
目が覚めると白いベッドの上。
両親を相当心配させたみたいだ。
それから何もなかったように日常にかえった。
あれから何回目の秋だろうか。
今日はちょうど事故にあった日だ。
私の目の前で起こったことはショックだったのかあやふやで。
誰ともわからない人のために花をたむけにいく。
否、本当は知っている人だった。
いつも私の身近にいたはずの人。
なのに私の記憶からほぼ綺麗に消え去っている始末だ。
記憶を手放さないと私が私を保てなくなる人だった、らしい。
周りの人は誰もその人について言及しないし、アルバムもその人は綺麗に塗りつぶされている。
周りの人がとった行動だ。
思い出したら私も自殺すると思われているらしかった。
きっとそれだけ大切な人だったのだけはうかがえる。
最初のコメントを投稿しよう!