ヒガンバナ(赤)

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目が覚めると白いベッドの上。 両親を相当心配させたみたいだ。 それから何もなかったように日常にかえった。 あれから何回目の秋だろうか。 今日はちょうど事故にあった日だ。 私の目の前で起こったことはショックだったのかあやふやで。 誰ともわからない人のために花をたむけにいく。 否、本当は知っている人だった。 いつも私の身近にいたはずの人。 なのに私の記憶からほぼ綺麗に消え去っている始末だ。 記憶を手放さないと私が私を保てなくなる人だった、らしい。 周りの人は誰もその人について言及しないし、アルバムもその人は綺麗に塗りつぶされている。 周りの人がとった行動だ。 思い出したら私も自殺すると思われているらしかった。 きっとそれだけ大切な人だったのだけはうかがえる。
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