悲願花

境内

門の前にたち門を押してみた。

反応はない。

もしかしたらと引いてみた。

やっぱり反応はない。

門を叩きながら声をかけてみた。

「すいません、誰かいませんか。」

やっぱり反応はない。

1度元の場所に戻って今度は絵馬の方を調べてみた。

結構な参拝客がいるようで絵馬はたくさんつられていた。

「内容がバラバラだから何にご利益のある神様かわかんないや。」

学業、恋愛が大半を占めていることだけはわかった。

中には商売もある。

「おキツネ様だもんね…」

絵馬を調べるとひらりと１枚紙が落ちてきた。

なんだろうと思ってひらくと

『人は名前を忘れた時帰り道も忘れる。ここには帰り道がわからない子がよく迷い込むようだ。自分を思い出してもらえるように仕掛けをつくった。使用方法は…』

以上で途切れていた。