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世界が割れるような大音にのどかは目が覚めた。
たくさんの男たちの叫び、馬のいななきや泥土を駆ける足音、鎧ずれ、風を切る矢、火縄銃の咆哮、陣貝の唸り、そして、覚悟なく死に直面してしまった者が発する断末魔。
思わず目を見開いたが、そこはのどかの住んでいる街とは違って田舎の重苦しい夜が垂れこめてはいるが、昨日と変わりないおばあちゃんの家だった。
隣ではお母さんが小さな寝息をたてている。精神的に疲弊しているお母さんをこれ以上心配させまいと、結局のどかは早鐘のように鳴る鼓動をおさえて朝まで息をひそめて起きていた。
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