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小六の私には結構時間があったので、孝のおむつを替えてやったり、それを洗ったりした。当時はまだ、布おもつの時代で、他人のなら大便を拭いたりするのには耐えられなかっただろうが、可愛い弟の為だと思うと汚いとは思えなかったのである。
孝が夜中に泣き出すと私はすぐに起きて、抱きかかえ、泣き止むまで必死にあやしたりもした。
私が中学校に入学し、野球部に入ると毎日の練習がきつくて、体もくたくたに疲れ果て、さらに勉強も急に難しくなり授業についていくのに必死であった。私の頭の中の孝が占める割合はどんどん小さくなっていった。
高等学校でも野球部に所属していた私は、孝をかまうのは正月ぐらいのもので、孝はどんどん遠い存在になっていく。
地元の大学の教育学部に入学した私は野球部に入部し、相変わらず忙しい毎日を送っていた。
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