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1.Bye―
あなたを想っていつも通ってた歩道橋を上がる。
上には綺麗な夕陽があるんだけど…、
どうせ誰からの連絡もないし、家に帰ったって、
あなたのいない永遠の冬だから、辛いだけ…。
急ぐ必要がなさ過ぎて、階段の一段一段が何だか凄く高い気がする…。
凍てつくような寒さも、心に刺さってくる…。
やっと上がった歩道橋の上、
もう数年前になっちゃうあなたの顔が浮かんだから、目を閉じる。
「さよう…な……」
やっぱり口に出しては、まだいえない…。
目を開けると、白い吐息の先には、
私だけの静寂の空があって、
いつかあなたに教えたいって思ってた綺麗な夕焼けが、
雲と混ざり合っていた。
気付けば私、泣いてた……
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