最後まで・・

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いつだったか・・・。もういない彼女に励まされて一人前のエンジニアになれたのは。 最初の「またね」は小学生のとき。いつも勝てなかった。必ず何かと勝負すると決まって負けてた。縄跳びやテストの点数、短距離走や給食・・。 負けてくそーっと悔しがって、その後必ず「次こそ勝つ!」の台詞を言ったら、「またね」と笑って言ってたね。 中学、高校と成長するにつれ、負けず嫌いな俺はいつしか彼女のその一言で、やる気になり、将来の夢であった自動車のエンジニアになるに向けた進路を決めた。 彼女は科学者になりたいと言ってた。そのせいか大学センター試験の過去問を解いた後の成績は一長一短。負けたときは決まって「またね」。だか初めて勝ったとき、彼女は「よかったね、じゃあまた勝負しましょ!貴方が勝ったとき、何か一つ言うことを聞きましょうかね。」 そう言って笑顔を見せた。 そして大学センター試験・・。 そして大学入試。二次試験。 お互い終わり、後は結果待ち。 センター試験の点数の自己採点は同じだったので、彼女は「仕方ないね。」と呟き、学校の図書館で一人勉強し始めた。 その後、まさかあんなことが起きたなんて・・・。
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