底知れない犬

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   グダグダウジウジと、いらぬことを考えてるあたしのほうがバカみたいだ。  ──新年度、新学年、新学期。  プライベートなんかに足を取られている場合じゃない。  がんばれ、あたし。 ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  前年度末からふわっと言われていたように、あたしは2年の担任を任されることになった。  最悪なことに、副担任はドーベルマン……もとい、宮沢賢治郎。  そんなの聞いてないと教頭先生に言いたかったけれど、そのための隣の席だと気づいて気分が悪くなった。  他の先生にも顔色を心配されて、無駄なプライドがまたイイコを発揮する。  笑顔を繕うたびドーベルマンと冴島の顔がちらついた。  だれかの言葉に影響されて普段の自分のやりかたがわからなくなるなんて、はじめてのことだ。 .
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