本当のワル

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100%ドロボウのコイツを逃がして、知らないフリをする方がまずい。 オレは男の腕を引っ張った。 「まあまあちょっと待ってよ」 男は足を踏ん張った。 「ケーサツ行ってどうするんだ?」 (え!どうするって。コイツ、アホか) 「お前、ドロボウだろ?今あったことを説明して、ケーサツに引き渡す。で、窃盗住居侵入でお前は逮捕 」 自覚しているだろう、それは。 所がコヤツは突然訳の判らないことを言い出した。 「俺はドロボウなんかじゃないよ」 「おいおい、何をこの場におよんで言ってんだよ。 お前は空き巣、窃盗犯。女性の留守中に忍び込んで、部屋を物色していた。 自分で言ってたじゃないか。それをオレが捕まえた」 「どうやって?アンタ、どうして俺がアノ部屋に居ると判った?」 「どうやってって……自分のウチと間違えて真上の被害者宅を開けたら、お前がいた。だから捕まえた」 「そうケーサツで証言する訳だな」 「当たり前だろ」 「よし!それなら俺は、こう主張するぞ」 (え、何、何?) 何を言うのだコヤツは。
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