けやきは知っている

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おじが言うには、ここ何年かはやはり父が心配で、様子を見に半年に1度は、ウチに来てくれてるらしかった。 「たいした病気にもならんと、頑張ってきはった人やからなぁ。 アニキも高齢やが、オレも75や。 さすがにもう、これからはそう帰って来れん。いや、そりゃアニキになんかあった時は呼んでくれれば飛んでくるでぇ」 おじはそう言った。そして 「オレもアニキ見舞いに行くわ。 育男、悪いけど車乗せてってくれ」 「判った。ほないこか」 私がその場を動いた時、おじは私から私の後ろの掘り起こしている場所に目を移した。 「育男、おま、見てもうたんか」 おじは真顔でポツリと言った。 「え!」 私は立ち止まった。 「アニキから聞いたんやな」 おじはその地面を凝視し、私はそのおじを見つめた。 「おじさん…知っとったん…」 「アニキからどない聞いてん」 おじはその場にヤンキー座りした。 私は自分の推理、利助さんを両親が殺害して、ここへ埋めたんちゃうかと勘繰り、掘り起こしたことから、病院でついさっき、父から母を殺したと聞いたことまでを話した。 おじはなんとも言えない歪んだ顔で、しゃがんだまま言った。 「利助さんを殺したって…とんだ推理やな……せやけど、全ておうてへんな。 間違ってるわ」 「みんなあってへん?確かに利助さんのことはオレの勝手な勘繰りで、ウチには全く関係なかったことやけど、オカンはオトンが殺したんやろ? それ、おじさんも知ってたん?」 「いや、アニキは牧ちゃんは殺してへんねん。それはウソや」 「え~っ!ほななんでオトンはあんなこと言いよったん。 おじさん、何か知ってるの?」 私は小さくうずくまっているおじに詰め寄った。
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