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「いやいや。判ってくれたらいいんだけどサ」
男は嫌らしい笑いを見せた。
なにが判ってくれただ。もうウザいし、オマエとは話したくないのだ。
「もうオレの前に現れるな」
と言うと
「ああ判った。オマエももう女に乱暴しようと思うなよ」
ニヤケながら返された。
(それはオメーだろうがよ)
と思ったが、しかしもう何も返したくなかったオレは、ムッとしたまま車へ向かった。
男も駐輪場へ止めてある自転車にまたがった。
‐2‐
会社へつき、上司に体調が悪いと説明すると
「そうか、仕事出て来て大丈夫か?風邪かな?ま、無理しないで今日は早く帰っていいから」
彼は外見、心配そうにしていたが、腹の中ではどう思っているかは判らなかった。
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