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1週間後、今度は辻井さんが1人で訪ねて来た。
両親も私も、お巡りさんの訪問に、かなりびくついていた。
何か、私ら家族に不利な情報を持って来たのではないかと。
しかし内容は逆であった。
ウチが疑いから晴れたことを、告げに来てくれたのだった。
「利助さんは、お宅を出た後、公園で行われていた秋祭りに行ったみたいですわ。自転車に乗っている利助さんを目撃した人が二人おりました。
ただその後が判りまへんねやー」
辻井さんのそれを聞いた時、私も両親も不安がふきとんでホッとした。
「そうですかぁ。ウチ出た後、祭り行かはったんや」
父の声は久しぶりに弾んでいた。
私は何げに
「その二人は、利助さんと何か会話したんですか?」
と質問した。
「いやいや、ただ遠めで見ただけで、声はかけなんだ言うとる。
せやけど、いつもの服装やったし、利助さんに間違いはないやろうと。
しかももう祭りは終わりかけで、みんな片付けて帰る所やったらしいし、たいして気にはかけなかった」
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