代筆者

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 ところが等々力くんの『杜子春』は全く違う扱いを受けた。  まずは、学級担任の年配の女性の先生が、 「みんなの読書感想文を読ませていただきました。その中で読んでいくうちに涙が止まらなくなるような感動的な作品がありました。   等々力くんの作品です。  等々力くんは自分自身と小説の主人公の気持ちを重ね合わせて、体験を織り交ぜながら素晴らしい作品に仕上げてくれました」  少し湿った声で話すと、周り生徒は等々力くんにそんな才能があったのか、と意外性を楽しむように受けとめたようだった。
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