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翌年の二月に東京で授賞式があり、等々力くんはその式にも参加することになったのだ。
私の『限りなく透明に近いブルー』は遥か彼方に消え去っていたが、『杜子春』を書いたのは私なんだと主張したい気持ちが、またむくむくと湧き始めた。
でも、等々力くんに
「ありがとう。ありがとう」
と何度も頭を下げられると、幸薄かった等々力くんにスポットライトを当ててやったのは私なんだという歪な自尊心で嫉妬心を押さえ込んだのである。
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