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これは、等々力くんと私の話である。
中学二年生のとき、等々力くんと私は同じクラスだった。等々力くんは、小柄でおとなしく、クラスでは私と同じように地味で目立たない存在だった。
二人の共通の趣味は切手だった。当時の小中学生の間では切手収集がはやっており等々力くんと私も夢中であった。しかし、中二ともなると男子の関心は切手から異性へと移っていた。切手にお小遣いのほとんどを使っていた男子たちが、女性の裸が載っている成人雑誌に金を注ぎ込むようになっていく。そんなふうに中二ともなると思春期がおとずれてくるものだが、二人のその芽は奥深くしまい込まれていた。
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