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私は頭に血が上ってきて嫉妬で、
「村上さん、あの読書感想文は僕が書いたんや。だから、握手されるのは僕なんや」
と叫びたくなる自分を少ない理性でなんとか制御したものだ。
我が校のヒーローになった等々力くんが、その日の下校中、頼みがあると言い出した。
副賞の図書券五千円のことである。自分は本を読まないので、現金三千円と交換してもらえないかというのである。等々力くんは二千円分を損するわけだが、それは私が感想文を書いた報酬として納めてほしいということらしい。
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