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「またね」
この言葉がきらいだった。
「また」とは、一体いつを指すのだろうか。
体のいい別れ文句。
私の命のタイムリミットが明確に示されてから、その思いはますます強くなった。
「また来るねー」
そういいながら病室から帰っていく友人たちに笑顔で手を振りながら、私は考える。
どうしてそんなに簡単に‘またね’と言えるのだろうか。
その‘また’が来なくなるなんて考えたこともないのだろう。
私だって、そんなことを考えないで、そんな‘当たり前’を信じていたかった。
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