16人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕はさ、口に出せば必ず実現するとまでは思わないけど、声にするって大事だと思うんだ。」
それが実現可能であろうと、不可能であろうとね。
彼はそう静かに言って続ける。
「言葉にすることは、自分の中だけじゃなくて、耳からもう一度音として聞くだろう?それを、周りの人も聞いている。それを実現するにはどうするか考えるとか、行動するきっかけになると思うんだ。」
彼の、静かで落ち着いた声は、私の中に染み込んでくるようだった。
「つまり、自分の気持ちを口に出すって、行動する勇気を出すということだと思うんだ。」
だから…
そう言って彼は私の手を握り、目を見て言った。
「だから、たくさん僕に言えばいい。それからどうすればいいか、一緒に考えよう。」
最初のコメントを投稿しよう!