第八章 狛犬 三

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 しかし、百戦錬磨という雰囲気を纏い、とても中学生には見えない。 「俺はこの人数でこのメンバーです」 「そんな……」  周囲から声が上がっていた。 海堂の帰りを信じて、待っていたという人もいたのかもしれない。 「狛犬!」 「誰が狛犬だ!」  藤原が切り返すと、海堂を見ていた。 ここにも三年や、二年がいる。 俺達が揃うと、狛犬というイメージが強いのかもしれない。  藤原が立ち上がった時に、俺もつられて立ち上がってしまった。 そこで、同時に叫んだ先輩を睨んだので、本当に狛犬のように思える。 「海堂が決めた事だ。海堂に従え、他のメンバーは元の所属に戻るでいいな」  海堂のメンバーを見ていると誰が加わっても、実力差があり過ぎる。 名護のように、何でも誰でも使える能力のようなものは、 海堂にはない気がする。
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