第十四章 太陽と月

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 次の日、朝練が終わり教室に行くと、有明が席に座っていた。 昨日の状態を知っているので、まともに見られない。 そんな俺を、相澤が冷たい視線で見ていた。 「左手は、研究所に送った……あんまりに危険だからね、 研究されずに永久凍結だと思うよ」  その判断は正しいと思う。  有明が俺に気がついて、車イスで近寄ってきた。 俺が、有明を直視できないでいると、有明が事情に気が付いた。 「前に、俺は印貢に犯されていないか聞いてしまったよね。 あの質問が、いかに不味いのかが、今日は分かった」  要は、何も聞くなという脅しであろう。
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