第一章 海の上の空

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 季節は夏に近付き、すっかり暑くなってきたというのに、 俺は風邪をひいてしまった。 「印貢、病院に行け。くしゃみがうるさくて寝ていられない」  何度も教室でくしゃみをしていると、隣の席に座っている、 相澤が嫌な顔をしていた。 この相澤は、高校一年の教室に生徒として座っているが、実は高校生ではない。  相澤は、高校に潜入し、隠蔽されがちな学校という組織の中で何が起こっているのか リサーチしている刑事であった。 相澤は、潜入捜査しているといっても、特定の事件を追っているわけではないので、 結構、のんびりとしていた。
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