第十四章 ショック中毒

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「名護を殺そうとしたのか?」 「していませんよ。それに、名護は免疫がありますよ。 俺は、この手、名護の家に暫し置いておきました。すると、 ビル全体でインフルエンザだなどと騒いで、終わりました」  海堂は、日本在中の子供にも免疫ができるのか試してから、 この階段に置いたらしい。 「海堂!」 「俺は四区を潰したい。俺から全てを取り上げたこの土地が憎い。 でも、唯一、印貢先輩だけは殺したくない、殺されたくない…… それだけ思って戻ってきました」  もしかして、海堂自身が何かに狙われているのか。  海堂は一人で来ていたのではなく、木の上に見張りがいた。 見張りが飛び降りてくると、何かを海堂に囁いて去った。
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