第十四章 ショック中毒

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「仁人の手は、とある研究の職員から、俺に紙袋ごと託されたものです。 お守りにして持っていました」  海堂は、森から走り去ろうとしていた。 仁人の手ならば、強いお守りだろう。 「印貢先輩!又、会いに来ます!」  海堂が去って、来たのは名護であった。 「海堂がいましたよね?」 「ああ。あの手を置いたのは、海堂だった。 でも、頼んだのは手の持ち主で、俺の内戦仲間の仁人だった……」  熱冷ましを名護に渡すと、名護は俺を抱き寄せていた。 これは、男女ならばいい光景なのかもしれないが、 俺は慌てて名護の顔に手を当ててしまった。
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