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「仁人の手は、とある研究の職員から、俺に紙袋ごと託されたものです。
お守りにして持っていました」
海堂は、森から走り去ろうとしていた。
仁人の手ならば、強いお守りだろう。
「印貢先輩!又、会いに来ます!」
海堂が去って、来たのは名護であった。
「海堂がいましたよね?」
「ああ。あの手を置いたのは、海堂だった。
でも、頼んだのは手の持ち主で、俺の内戦仲間の仁人だった……」
熱冷ましを名護に渡すと、名護は俺を抱き寄せていた。
これは、男女ならばいい光景なのかもしれないが、
俺は慌てて名護の顔に手を当ててしまった。
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